11月17日はヴィラ=ロボスの命日です。
今から65年前のこの日にヴィラ=ロボスは72歳の生涯を閉じました。リオ・デ・ジャネイロ市内の「サン・ジョアォン・バチスタ墓地」に眠っています。
昨年2023年11月22日に、リオ在住のピアニストの清水由香さんに連れていっていただいて、一緒にお墓参りをしました。ヴィラ=ロボス記念館のあるボタフォーゴ地区にあるこの墓地は、彫刻や建築物も美しく、また多くの著名人が埋葬されていることで際立った存在となっているそうです。
(写真)墓地全体の地図
(写真)著名人の墓地の住所
案内所で全体の地図と有名人の墓地の住所リストを印刷してもらって、墓地の奥のほうにある「Q18」のエリアまで歩いていきます。階段を昇ったそのエリアに着いてから、「17942番」のお墓を二人で探しました。
「こんなところにあったのか」と驚いてしまうほど、ヴィラ=ロボスのお墓は目立たない場所にありました。特別に大きくもなく、ゴージャスでもないお墓でしたが、とてもきれいに管理されていました。「私の作品は返事を期待せずに書いた、後世の人々への手紙である」というヴィラ=ロボス自身のメッセージが刻まれていました。墓前にて、私たちの共通の恩師である村方千之先生にもお祈りの言葉を捧げました。
(写真)ヴィラ=ロボスの墓碑
振り返って空を見上げると、コルコバードの丘の上のキリスト像が遠くに見えていました。この日が快晴だったこともあるかもしれませんが、墓地という暗いイメージはなく、著名人の家が建ち並ぶ観光地を訪れたような印象を受けました。
(写真)ヴィラ=ロボスのお墓とキリスト像
「著名人のお墓の案内リスト」の中にヴィラ=ロボスの名前があったことを、ファンの一人として誇らしく思いながら、太陽の光がさんさんと降り注ぐヴィラ=ロボスのお墓に「ありがとう」と心の中でつぶやき、墓地を出ました。
(写真)墓地の入り口
ヴィラ=ロボスの誕生日(3月5日)はブラジルクラシックの日とされています。彼の命日の前後の期間に、ヴィラ=ロボス記念館で毎年音楽祭が開催されています。
今年(2024年)の音楽祭(第62回目)は11月25日から12月7日まで開催されるそうです。
※第61回目のフェスティヴァル(2023年の11月7日から30日まで開催)に参加した体験記は後日まとめます。
市村由布子
YUKO ICHIMURA