12月14日は日本ヴィラ=ロボス協会の創設者である村方千之先生の命日です。2014年にご逝去されてから早10年が経ちました。先日お墓参りに行き、墓前で村方先生にお伝えしたいことが山ほどある中、何よりも一番にご報告したいことがあって、1977年1月24日に開催された「ヴィラ=ロボス音楽祭-国際指揮者コンクール特別賞に輝く-村方千之指揮特別演奏会」のプログラムノートを持参しました。
【村方千之先生のお墓】
昨年2023年の秋、リオデジャネイロのヴィラ=ロボス記念館を訪れました。リオ在住のピアニスト清水由香さんの友人であるというご縁から、記念館内の「BIBLIOTECA JOSÉ VIEIRA BRANDÃO」(書庫)を見学させていただく機会に恵まれました。案内してくださった司書のダニエリさん(Danielle Soares)には、心より感謝申し上げます。
【ヴィラ=ロボス記念館内のBIBLIOTECA JOSÉ VIEIRA BRANDÃO (書庫)】
書庫に収められているヴィラ=ロボスに関する数々の貴重な書籍の間に、村方先生のプログラムノートを発見しました。手に取った瞬間、まるで先生に再びお会いできたような感覚に包まれました。このプログラムノートがいつ、どのような経緯でこの書庫に収蔵されたのかは不明ですが、ここに大切に保管されていたことに感謝の念を抱くとともに、村方先生とヴィラ=ロボス記念館の長年にわたる深いつながりを改めて感じた出来事でした。
【書庫内で発見した1977年のプログラムノート】
村方千之氏からの手紙①(1977.1.24)
追悼の意を込めて、村方先生が指揮されたヴィラ=ロボス作曲《ブラジル風バッハ第4番》の”前奏曲”をご紹介します。
こちらは1998年6月7日に池袋の自由学園明日館講堂でのコンサートで録音されたもので、以下のリンクから冒頭部分をご試聴いただけます。
CD💽「ヴィラ=ロボス室内オーケストラの世界」から
ヴィラ=ロボス:《ブラジル風バッハ第4番より”前奏曲”》
この日の演奏全曲をお聴きになりたい方は、以下のリンクよりCDをご注文いただけます。
ブラジルのクラシック音楽を日本に広めるために約34年間尽力された村方先生のことを、この曲を聴くたびに思い出します。
2009年の「ヴィラ=ロボス没後50年記念特別コンサート」でもアンコールとして演奏され、たくさんの想いが込められた美しく尊い音楽に心を打たれ、目が涙でいっぱいになった瞬間を今でも忘れることができません。先生に会いたい…
村方千之先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
村方千之氏からの手紙㉖(1998.6.7) 1998.6.7 南米音楽祭’98
市村由布子
YUKO ICHIMURA