日本におけるヴィラ=ロボス研究の先駆者、村方千之氏の文章を公開

2025.4.12【レポート】 ~ブラジル リオの風にのせて~ 日本ブラジル友好交流130周年記念コンサート

~ブラジル リオの風にのせて~
日本ブラジル友好交流130周年記念コンサート
清水由香ピアノリサイタルを聴いて
(2025.4.12)

コンサート情報

日本ブラジル友好交流130周年を記念して開催された、清水由香さんの演奏会のレポートです。会場はスタンウェイ常設の新しいホール「ラ・サールエフ(La Salle F)」(広尾駅から徒歩4分)。エレガントな内装と優れた音響設備を兼ね備えた、素晴らしい空間でした。

La Salle F

27年前に由香さんがブラジルに渡るきっかけとなった作曲家ナザレ。そしてブラジルのみならず、南米クラシック音楽を代表するヴィラ=ロボス。さらに、ブラジルの国歌のメロディーを用いてアメリカ人作曲家ゴットシャルク(ブラジル没)が作曲した《幻想曲》が、今回のコンサートの演目でした。

由香さんが小学5年生の時、ピアノの発表会で演奏したナザレの《オデオン》。学生時代に来日していたクララ・スベルナー先生のナザレを聴き、ナザレへの想いを強くし、先生に師事するためにリオ・デ・ジャネイロ行きを決意されたそうです。

由香さんのナザレへの深い愛情は、演奏を聴くたびに伝わってきます。私は現在、由香先生にナザレの《オデオン》を習っていますが、今回の演奏を聴いて、次は《ブレジェイロ》を習いたいと思いました。

🎻スペシャルゲストとしてチェリストの山田真吾氏が登場。2017年、名古屋の宗次ホールでの共演以来、8年ぶりの再共演でした。

2017.5.11 聴けば聴くほど愛おしいブラジルのクラシック音楽

山田さんはまるでブラジルで育ったのかのように明るく楽しい雰囲気をお持ちで、その人柄が演奏にもよく表れていました。覚えたての「Obrigado」「Tchau」の発音も完璧で、会場の雰囲気を和ませてくれました。

ヴィラ=ロボスの《カイピーラの小さな汽車》では、まるで山田さんが機関士になったかのように軽快に走り抜け、私たちを楽しい世界へ連れて行ってくれました。次回の共演が今から楽しみです!

🌍在東京ブラジル総領事館の副領事のフラヴィオ・コヘーア・ピント・バストス氏(Flávio Corrêa Pinto Bastos)、駐日ブラジル大使館の外務事務官のイウカ・ヒトミ・ジョコさん(Ilka Hitomi Joko)もご来席くださいました。

《ブラジル国歌による勝利の大幻想曲》の演奏が始まると、満面の笑みを浮かべながら鑑賞されていたのが印象的でした。また、私がジュリオ先生のご指導のもとに作成したポルトガル語版の解説についても「これは助かる!」と喜んでくださったことがとても嬉しかったです。

駐日ブラジル大使館

ギマランイス・ホーザ文化院

在東京ブラジル総領事館

🤝「木の家イベント」のダニエリさんとレアンドロさんには、宣伝から当日の舞台設営、サポートまで、大変お世話になりました。「ブラジルクラシック音楽の魅力を日本に伝えたい」という情熱をもって活動されているお二人にお会いでき、本当に幸せでした。

木の家イベント

🎵ヴィラ=ロボスの最後の曲《奥地の祭り》は、日本人にはなかなか演奏が難しい曲ですが、由香さんは心と体で感じたリズムをそのまま音に乗せ、見事に盛り上げてくださいました。

由香さんが日本で演奏会を開いてくださることで、ブラジルと日本の真の交流が生まれ続けているのだと感じます。由香さんを中心に、ブラジルクラシック音楽の輪が日本に広がっていくことを願っています。

市村由布子
YUKO ICHIMURA