日本におけるヴィラ=ロボス研究の先駆者、村方千之氏の文章を公開

11月17日はヴィラ=ロボスの命日~没後66年

11月17日はヴィラ=ロボス Heitor Villa-Lobos (1887-1959) の命日です。
今から66年前のこの日に72歳の生涯を閉じました。

彼の命日の前後に、ヴィラ=ロボス記念館主催でヴィラ=ロボス・フェスティバルが毎年開かれています。第63回目となる今年のイベントは11月8日から15日にかけて開催されました。

第63回 ヴィラ=ロボス・フェスティバル

最終日である11月15日には、マリア・ルシア・コドイ氏 Maria Lúcia Godoy
(ソプラノ歌手)の生誕100年を記念したプログラムが組まれました。

ゴドイ氏(1924年9月2日生まれ)はブラジルを代表するソプラノ歌手で、特にヴィラ=ロボスの作品の演奏で知られています。ゴドイ氏は指揮者イサーク・カラブチェフスキーIsaac Karabtchevsky(ペトロブラス交響楽団 Orquestra Petrobras Sinfônicaの指揮者)と結婚し、2025年5月26日に亡くなられたそうです(享年100歳)。

Maria Lúcia Godoy Wikipedia

ゴドイ氏は日本ヴィラ=ロボス協会の創始者である村方千之氏に招かれて1989年に来日し、「ヴィラ=ロボス没後30年記念演奏会」に出演しました。ツアーの最後に東京藝術大学でゴドイ氏の公開レッスンが行われ、最後に歌われた《サントス侯爵のルンドゥ LUNDU DA MARQUESA DE SANTOSに村方千之氏は深く感動されたそうです。

🎶Maria Lucia Godoy LUNDU DA MARQUESA DE SANTOS

ヴィラ=ロボス歿後30年記念特別演奏会(1989.10.28)

村方千之氏からの手紙⑫(1989.10.28)

村方千之氏は初めてブラジルに行った時に、ゴドイ氏のレコードを手に入れ、機会があったら生演奏を聴いてみたいと願っていたそうです。1982年のブラジル演奏旅行の時にそれが実現し、ゴドイ氏の生演奏の素晴らしさに大変感動し、日本に招聘する大きなきっかけとなったそうです。

その時のことを詳しく記した村方千之氏の文章が残っていますので、ご紹介します。

村方千之氏からの手紙㊱『ショーロス第5号』(1990.4.1)

「ゴドイ女史が歌われたアンコールの日本歌曲≪からたちの花≫≪赤とんぼ≫の素晴らしさもまた、何時までも忘れられない感動をそれぞれに聴かれた方々の心に残しました。」と書かれております。

今から36年前に、ゴドイ氏と村方千之氏による日伯文化交流がこのような形で行われたことを皆様に知って頂けたら嬉しく思います。
2025年、日伯交流130周年のこの年に、ゴドイ氏の生誕100周年記念演奏会がヴィラ=ロボス記念館主催で行われたことに、何か特別なご縁を感じずにはいられませんでした。

(村方千之氏は1925年生まれ、ゴドイ氏は1924年生まれで、一歳違い。お二人とも、ほぼ同世代だったことを今知りました。)

市村由布子
YUKO ICHIMURA