2023.11.17【レポート】清水由香＆T’Rioリサイタル

🎶コンサート・レポート（2023.11.17）
Yuka Shimizu e T’Rio
17 Nov. Sexta 19h
Sala Cecília Meileres

リオ在住のピアニスト、清水由香さんとその師匠であるクララ・スヴェルナー先生との演奏会の翌日、11月17日（ヴィラ＝ロボスの命日）に由香さんのソロ演奏とT‘Rioとのトリオの演奏会がありました。会場はリオ市内で由緒あるホール、サーラ・セシーリア・メイレーリスSala Cecília Meirelesです。ここはまた、2008年に日本ヴィラ＝ロボス協会の創設者である故・村方千之氏が指揮をし、由香さんが共演した思い出の場所でもあるそうです（ロナルド・ミランダRonaldo Mirandaの《Concertino para piano e orquestra》を共演）。15年ぶりに由香さんはこのホールのステージに立ちました。

シネランヂアCinelándia駅で降りて地上に出ると、ここはパリかと思うような雰囲気で、音楽学校や劇場やコンサートホールなどの文化施設が並んでいました。ジュリオ先生（私のポルトガル語の先生）の説明によると、かつては劇場（シネマ）が今よりもっと多く存在したため、「シネマCinema＋ランド（ランヂアlándia）」略して「シネランヂア」という駅名になったそうです。前半は由香さんのソロ演奏で、ナザレ、ヴィラ＝ロボス、それからブラジル讃歌である《ブラジル国歌による勝利の大幻想曲》（ルイス・モロー・ゴットシャルク作曲）を熱演しました。それぞれの曲の思い出や解説を挟みながらの演奏は、自信と喜びに満ち溢れていました。

5年前にCDを発売した仲間であるT’Rioと三重奏が後半に続きました。T‘Rioのメンバーはヴィオラ奏者のフェルナンド氏と、クラリネット奏者のクリスチアーノ氏。お二人とも、一流の演奏者が集まるペトロブラスオーケストラのメンバーです。「このメンバーで演奏すると、弾きやすく、心から楽しいと思える。」という由香さんの言葉通り、音楽レベルの高さは言うまでもなく、お互いの信頼の上に成り立つ息の合った演奏に、総立ちの観客から大きな拍手が送られました。15年前にこの場所で共演した村方千之先生も、きっとどこかで一緒に拍手されていたでしょう…。

ポルトガル語が全くわからないままリオに移り住み、数々の音楽経験を積み重ね、ブラジルのクラシック音楽界に溶け込み、素敵な音楽仲間に囲まれながらさらに活動の幅を広げている由香さんのこれからの活躍がますます楽しみです。リオでの演奏会を二夜連続で聴くことができて、極上の幸せを感じました。

🎹プログラム／Programa
清水由香ソロ　Yuka Shimizu　Piano solo

♪Ernesto Nazareth　エルネスト・ナザレ
1.Nocturno　ノクターン（夜想曲）
2. Improviso　インプロヴィーゾ（即興曲）

♪Villa -Lobos　ヴィラ＝ロボス
3.Alma Brasileira (Choros No.5)　ブラジルの魂（ショーロス第5番から）
4.O Polichinelo　ポリシネーロ（赤ちゃんの家族第1集から）
5.Ondulando　波打つように
6. Impressões Seresteiras　セレナード歌いの印象（シクロ・ブラジレイロから）

♪Louis Moreau Gottschalk　ルイス・モロー・ゴットシャルク
7.Grande Fantasia Triunfal sobre o Hino Nacional Brasileiro
《ブラジル国歌による勝利の大幻想曲》

●T’Rio　Com Violista Fernando Thebaldi e Clarinetista Cristiano Alves.

♪Liduino Pitombeira　リドゥイーノ・ピトンベイラ
8. Japan , Op.47c 3°movimento　《日本》Op.47c 第3楽章＂満月“”Full Moon”
9. Fantasia sobre Muié Rendêra, Op.1f～Muié Rendêraに基づくファンタジー　Op.1f

♪Vittor Santos ヴィトー・サントス
12. Fragmen”Tons”Jobim　トム・ジョビンのフラグメント

♪Leandro Braga　レアンドロ・ブラーガ
13. Pot – pourri Pixinguinha　ピシンギーニャのポプリ

🎤紹介コーナー🎤

Yuka ShimizuのYoutubeチャンネルはこちら👇

♪Villa-Lobos:O Polichinelo
ヴィラ＝ロボス：ポリシネーロ（赤ちゃんの家族第1集から）