日本におけるヴィラ=ロボス研究の先駆者、村方千之氏の文章を公開

2024.2.11【レポート】 ~ブラジル リオの風にのせて~ BEETHOVEN & BRAZIL CRASSICAL

🎶コンサート・レポート
~ブラジル リオの風にのせて~
BEETHOVEN & BRAZIL CRASSICALを聴いて
(2024.2.11)

市村由布子
YUKO ICHIIMURA

「ブラジル リオの風にのせて」のコンサートを浦和の音楽サロン<トトボーノ>で聴くことができました。清水由香さんと3回目の共演となるクラリネット奏者の小坂真紀さん。<トトボーノ>のオーナーで、チェリストの大瀧奈奈さんも加わって、ベートーヴェンのトリオOp.11《街の歌》。ブラジル クラシック音楽のあとにベートーヴェンの作品を聴くのは初めてでしたが、新鮮な気持ちで楽しみました。

クラリネットとのデュオが3曲。ピアノソロの作品が6曲。ブラジルのクラシック音楽の作曲家として有名なヴィラ=ロボス、ナザレ以外に、コルチスラセルダシケイラといった日本では演奏される機会が少ない21世紀末の作曲家の作品も演奏されました。「ブラジルクラシック音楽作品のレパートリーを増やしたい!」という意欲的な小坂真紀さん(嬉しい!)。ヴィラ=ロボスの《ファンタズィア・コンセルタンチ(W517)》(クラリネット、ファゴット、ピアノのトリオ作品)をぜひぜひよろしくお願いします!その時は、ファゴット奏者の磯崎早苗さんをゲストに…。

「ヴィラ=ロボスの作品を聴くと心が熱くなる」というチェリストの大瀧奈奈さんは、ヴィラ=ロボスの《アソービオ・ア・ジャート(ジェットホイッスル)(W493)》を演奏したことがおありだそうです。いつかぜひ演奏していただきたいです!

「私もナザレのピアノを弾いてみたい。楽譜をどうやって探せばいいですか?」というお客さんがいらっしゃいました。ナザレを含むブラジルクラシック音楽の演奏は簡単そうに見えて全くそうではない。一番の難しさはやはりリズムなのかしら。右手と左手の役割が違う楽器の音を想定しているような曲が多いのでそこも難しい。だからといってあまり細かく考えすぎるとカタイ演奏になってしまってつまらない。清水由香さんはブラジルに渡ってから約25年間、ナザレを演奏し続けてきたプロフェッショナルです。先月由香さんにお願いして、ナザレの《オデオン》のレッスンを受けました。ナザレの曲を弾いてみたいと思っていらっしゃる方、またはすでに弾いたことがあるけれども、もっと上手くなりたいと思っていらっしゃる方がいらしたら、清水由香先生に習うことをおススメします(オンラインレッスンも可能)。

<トトボーノ>のウェブサイトに「音楽を通してたくさんの人達が繋がり合える場所と言う願いを込めて音楽サロンを作りました。」と書かれていました。今回まさに「音楽を通して人と人とが繋がっていく」ことができて幸せでした。大瀧さんの温かいお人柄が感じられる素敵なサロンでの、素敵な演奏会でした。


トトボーノ トトボーノ
浦和駅北口から徒歩3分

ヴィラ=ロボス:《ファンタジア・コンセルタンチ(W517)》
(クラリネット、ファゴット、ピアノのトリオ作品)

1楽章

2楽章

3楽章

ヴィラ=ロボス:《アソービオ・ア・ジャート(ジェットホイッスル)(W493)》(フルート、チェロ)
Heitor Villa-Lobos: Assobio a jato (The Jet Whistle)

清水由香さんの演奏

ナザレ:エスコヘガンド Nazareth: Escorregando

ピアノソロ

一人で2台ピアノ🎹 F.ミニョーネ編曲

市村由布子
YUKO ICHIMURA